たまこラブストーリー 考察
2014年6月17日 趣味 コメント (2)3回くらいは見るつもりだったのに知らない内に高知での上映が終了していた。
何を言ってるのかわからないと思うが・・・
正直かなり凹んでますが、まあしょうがない。
さて、この記事は感想というよりは考察という類のものです。こういうことはまず自分で自分なりに感じるべきものですし、それなりにディープな内容だと思うので、映画を見ていない人がこれを読むのは正直なところお勧めしません。本気で読まない方がいいと思います。
自分もこの記事をアップするまで敢えて他人の考察はほとんど読んでいません。自分だけの見方をまず文章で残しておきたかったからです。
考察としても、世に出回っている考察に比べるととても浅いものだと思いますが、自分の出来る限り頑張ってみました。
この作品を見て受けた感銘、この作品を好きな気持ちが少しでも伝われば・・・と思います。
では、今回もけいおんの時と同じような書き方をしてみます。
まとまらなくてすみません。あと文章が読みにくかったらすみません。
※「(お)もち」は長文だとわかりにくいと感じるので、今回は「餅」と表記します。
・TVシリーズとの距離感
「映画けいおん!」でもそうでしたが、TVシリーズを見ていなくても問題ないように前提となる設定は作中で説明されています。
その説明が説明と感じさせないほど自然に行われているのがいいところ。
それでいて、従来ファン向けにファンサービスやオマージュのようなことは積極的に行われています。
そういう距離感の取り方がとても好きですね。
唯一気になったのは「みどりのたまこへの気持ちはTVシリーズを見ていないとわからないのでは?」というところですが。
人によってはみどりが好きなのはもち蔵だと思うかもしれません。
ただこれはTVシリーズの頃からそういう解釈をする向きはありますし、意図的にいろんな見方が出来るようにしたという気もします。
・By always thinking unto them.
冒頭に出る言葉ですが、調べたところこれはニュートンの言葉のようです。
意味は「年がら年中、そのことばかりを考えていただけです。」
これはもち蔵のたまこへの気持ちそのものですね。
またニュートンと言えば何度も登場したリンゴと繋がりますし、ニュートンのリンゴと言えば重力。
「S極とN極」の話も合わせて、たまこともち蔵の間に働く引力を示してもいます。
・たまこのバックグラウンド
たまこの初恋が描かれたのはもちろんなのですが
今回はたまこがお餅を好きになった理由、今のたまこになったバックグラウンドが明かされました。
たまこはお餅に母ひなこを重ねていたのですね。(まあそのきっかけになったお餅はもち蔵なのですが)
「おしり餅」と「おっぱい餅」もお餅に母性を重ねていることを示すディテールと言えるでしょう。
・宇宙
TVシリーズで出てきた単語ですが「宇宙(の入り口に立ったような・・・)」
今回の公式あらすじにも
>高校3年生の春。 そんなことを思いはじめた少女は——–恋をする。 北白川たまこは、知らなかった。 それは、「宇宙の入り口」に立ったような感覚。 そして少女は、一歩を踏み出す。 たまこ、むけました。
とあります。
宇宙は「恋愛の世界」であり「大人の世界」である、と・・・まあこれは間違いないのですが、
個人的には「未来」くらいに言い換えた方がシンプルで好みです。それでいいんじゃないでしょうか。
「プリンシプル」の歌詞を踏まえると「明日」と言ってもいいかもしれません。
・みどりちゃん
もち蔵への発言
「でも、見てるだけだね」
「そうやってずっとたまこの周りをぐるぐる回ってるんだね」
これは明らかにみどり自身のことでもあります。
「自己嫌悪」も「もち蔵へ嫌がらせをしたこと」だけでなく、たまこに思いを伝えられない自分を嫌悪する、という意味でもあると思います。
たまこがもち蔵へ返事をするきっかけを作ったのもみどりだし、今回はみどりが陰の主役とも言えるほどの活躍をしました。
とはいえ、たまこやもち蔵のみならず、史織やかんなも変化している中、みどりだけはあまり変化していません。
今後のみどりに何が待ち受けているのか気になって仕方がありません。見ようによってはかんなとの百合に見えなくもないですがw
・告白シーン
もち蔵がたまこに告白するシーン、たまこはお餅に似た石を拾います。
しかし転んでしまい、もち蔵に助けられた拍子に落としてしまいます。
これはとても象徴的な表現ですね。
今までお餅のことしか無かったたまこの頭から、もち蔵の告白以降それがすっかり抜け落ちてしまうわけです。
そして「お餅スランプ」に繋がると。わかりやすいですね。
・告白された後
ずぶ濡れのまま商店街を走って帰るたまこ。
商店街の風景も色鮮やかなぼやけたイメージでしか見えていません。
その後「コンタクトなくしちゃった」というセリフがありますが、これはTVシリーズのED「ねぐせ」を踏襲しているのかもしれません。
(コンタクトを外してみた 世界がぼやけて 一瞬だけど 居場所を確認しちゃうよ いつか離れていくのかな)
・たまこの髪留め
どうでもいいんですが、おもちが嫌いだった頃からこの髪留めはつけていたことを確認。
・さゆりさん
「お餅スランプ」に陥っていたたまこですが、風呂屋の娘さゆりさんと会った瞬間はまるでTVシリーズのようなはしゃぎっぷり。
その後、商店街をスキップしながら駆ける姿は「ドラマチックマーケットライド」のオマージュとなっています。
他の商店街の人と会ってもこうはならなかったのに、さゆりだけ明らかに違う演出になっています。
これは何故か、というのは当然考えなければならないことだと思います。
これは難しいと思うのですが、個人的な考えとしては以下の通りです。
Wikipediaより抜粋しますが「結婚後は実家を出て暮らしているが、うさ湯で集会などがあるときには実家へ帰っている。」
もちろん他の商店街の人々も結婚はしているので、その点でさゆりが特別なわけではありませんが、結婚して商店街を出て行った唯一の人物なのです。
結婚して「未来」に行っても、あくまでさゆりは商店街に根を張った人物でいるのです。
たまこは今、いろんな意味で「変わっていくのが怖い」わけですから、「変わっても変わらずにいる」さゆりの存在がどれほど心強かったことでしょうか。
他の考え方もできるかもしれませんが、今のところ個人的にさゆりの立ち位置はそういうものだと考えています。
・リトルグレイ
たまこがお餅を好きになるきっかけになった、喋る餅(CVもち蔵)。
それをもちノートに描いていたのを見たかんなは「リトルグレイ」との反応。
リトルグレイは有名な宇宙人です。もち蔵は宇宙人です。そういうことです。
一見ただのギャグにしか見えないシーンですが、これはそういう意図を込められたものだと思います。
・もち蔵の部屋の窓
TVシリーズの頃からそうだったと思います(未確認)が
窓のカーテンは宇宙に星々が浮かんだようなデザインになっています。
・地球と月
「たまラブ」本編は冒頭、宇宙に地球と月が浮かんでいるところから始まるわけですが、
地球と月は当然ながら引力で引かれあいながらバランスを取って存在しています。
また月は地球の「周りをぐるぐる回ってる」のです。
またもち蔵はお餅(白くて丸いもの、月)であり宇宙人です。
たまこは地球、もち蔵は月と対応している、ということになるでしょうか。
・きらきら星
「恋の歌」に対するひなこの返歌は「きらきら星」の替え歌です。またもや宇宙モチーフですね。
・上を向いて歩こう
バトン部の大会で使用された曲。
宇宙を向いて歩こう、未来を向いて歩こう、ということだと思います。
まあ当該シーンは昼間ではあるのですが。
・たんぽぽ
花言葉はいろいろあるようですが、今回関係の深そうなのは「別離」と「真実の愛」でしょうか。
これに関しては整理しきれていないのですが、とても効果的に使われている気がします。
少なくとも言えることは、たんぽぽの綿毛は風で飛ばされて、重力でふわふわと落ちてきて、また風で飛ばされて、というものだということです。
そんな浅いものではないと思いますが、今はその程度しかわかりません。
・「わーっ!」
みどりとかんなのシーンのアレです。
これはどう見ても映画けいおん!のセルフオマージュだと思うのですが、これまた今のところ意図はわかりません。
わたし気になります。
・バトンのキャッチ
言うまでもないかもしれませんが、もち蔵の思いを受け止められるようになったからバトンもキャッチ出来たわけですね。
・独立
映画EDではたまこの頭上からりんごが落ちる演出があります。
頭の上のリンゴというイメージはウィリアム・テルを強く想起させます。
また歴史の授業のシーンではギリシャ独立戦争のことを勉強していました。
これらに共通するものは「独立」です。これも「大人になる」というテーマをそのまま受けた表現でしょう。
・プリンシプル
「原理」みたいな意味ですね。これもニュートン力学と繋がる言葉でしょう。
と、それは普通にわかるんですが。
たまたま見つけた他の方のブログでとんでもないことを知ってしまいました。
ニュートンの代表的著作のタイトルは日本語で「自然哲学の数学的諸原理」
ラテン語だと「Philosophiæ Naturalis Principia Mathematica」です!
流石にこれは気付かなかった。そもそもこんなこと知らなかった。
ここまできれいに繋がるのには脱帽です。
歌詞の方も映画の要素をよく拾っていて、とても味わい深いものになっています。
・「映画けいおん!」との類似性
未知の世界で自らのバックグラウンドを再発見し未来へ進んでいく、という構造は「映画けいおん!」そのものです。
恐らくこの辺が山田監督の描きたい日常の中核となるものなのでしょう。
とまあこんな感じですね。
しかしこれまで長々と語ってきたことと矛盾するかもしれませんが、この映画(や映画けいおん!)の一番すごいところはこんな考察が不要なことだと思っています。
あらすじにすると
起:たまこはもち蔵に告白されました
承:しばらく何がなんだかわからなくなって
転:でも友達や近所の人々との交流を通じて自らを取り戻しちょっと大人になり
結:最後はちゃんと『大好き!』と返しました。完
これだけの話です。
それをこれだけディテール豊かに描いてみせる技量とキャラクターへの愛情に感動です。
今まで長々とやってきた考察も全て一方向に向いていて、本筋を裏打ちするようなものでしかありません。隠された事実や裏設定などが浮かび上がるようなものではありません。
その点は「映画けいおん!」と何一つ変わらないし、むしろプロットが単純な分、より純粋にそういった側面を見られたのだと思います。
個人的にこの映画が「映画けいおん!」より好きになったというわけではないですが
様々な面でより洗練されて強度が上がっていると思います。
相当期待を高めて見に行ったのですが、全く裏切られない、期待通り、納得の内容でした。(これくらいやってくれると思ってたから、今回は期待を超えたとは敢えて言わない)
今好きなアニメランキングを付けるならば1位けいおん!、50位たまこ、その他は100位以下、というくらいにはこの2作が大好きですw
大好きをありがとう。めちゃくちゃたまこが好きだ!
※後に少し考察を追加。こちらです。
http://58051.diarynote.jp/201406222302407304/
何を言ってるのかわからないと思うが・・・
正直かなり凹んでますが、まあしょうがない。
さて、この記事は感想というよりは考察という類のものです。こういうことはまず自分で自分なりに感じるべきものですし、それなりにディープな内容だと思うので、映画を見ていない人がこれを読むのは正直なところお勧めしません。本気で読まない方がいいと思います。
自分もこの記事をアップするまで敢えて他人の考察はほとんど読んでいません。自分だけの見方をまず文章で残しておきたかったからです。
考察としても、世に出回っている考察に比べるととても浅いものだと思いますが、自分の出来る限り頑張ってみました。
この作品を見て受けた感銘、この作品を好きな気持ちが少しでも伝われば・・・と思います。
では、今回もけいおんの時と同じような書き方をしてみます。
まとまらなくてすみません。あと文章が読みにくかったらすみません。
※「(お)もち」は長文だとわかりにくいと感じるので、今回は「餅」と表記します。
・TVシリーズとの距離感
「映画けいおん!」でもそうでしたが、TVシリーズを見ていなくても問題ないように前提となる設定は作中で説明されています。
その説明が説明と感じさせないほど自然に行われているのがいいところ。
それでいて、従来ファン向けにファンサービスやオマージュのようなことは積極的に行われています。
そういう距離感の取り方がとても好きですね。
唯一気になったのは「みどりのたまこへの気持ちはTVシリーズを見ていないとわからないのでは?」というところですが。
人によってはみどりが好きなのはもち蔵だと思うかもしれません。
ただこれはTVシリーズの頃からそういう解釈をする向きはありますし、意図的にいろんな見方が出来るようにしたという気もします。
・By always thinking unto them.
冒頭に出る言葉ですが、調べたところこれはニュートンの言葉のようです。
意味は「年がら年中、そのことばかりを考えていただけです。」
これはもち蔵のたまこへの気持ちそのものですね。
またニュートンと言えば何度も登場したリンゴと繋がりますし、ニュートンのリンゴと言えば重力。
「S極とN極」の話も合わせて、たまこともち蔵の間に働く引力を示してもいます。
・たまこのバックグラウンド
たまこの初恋が描かれたのはもちろんなのですが
今回はたまこがお餅を好きになった理由、今のたまこになったバックグラウンドが明かされました。
たまこはお餅に母ひなこを重ねていたのですね。(まあそのきっかけになったお餅はもち蔵なのですが)
「おしり餅」と「おっぱい餅」もお餅に母性を重ねていることを示すディテールと言えるでしょう。
・宇宙
TVシリーズで出てきた単語ですが「宇宙(の入り口に立ったような・・・)」
今回の公式あらすじにも
>高校3年生の春。 そんなことを思いはじめた少女は——–恋をする。 北白川たまこは、知らなかった。 それは、「宇宙の入り口」に立ったような感覚。 そして少女は、一歩を踏み出す。 たまこ、むけました。
とあります。
宇宙は「恋愛の世界」であり「大人の世界」である、と・・・まあこれは間違いないのですが、
個人的には「未来」くらいに言い換えた方がシンプルで好みです。それでいいんじゃないでしょうか。
「プリンシプル」の歌詞を踏まえると「明日」と言ってもいいかもしれません。
・みどりちゃん
もち蔵への発言
「でも、見てるだけだね」
「そうやってずっとたまこの周りをぐるぐる回ってるんだね」
これは明らかにみどり自身のことでもあります。
「自己嫌悪」も「もち蔵へ嫌がらせをしたこと」だけでなく、たまこに思いを伝えられない自分を嫌悪する、という意味でもあると思います。
たまこがもち蔵へ返事をするきっかけを作ったのもみどりだし、今回はみどりが陰の主役とも言えるほどの活躍をしました。
とはいえ、たまこやもち蔵のみならず、史織やかんなも変化している中、みどりだけはあまり変化していません。
今後のみどりに何が待ち受けているのか気になって仕方がありません。見ようによってはかんなとの百合に見えなくもないですがw
・告白シーン
もち蔵がたまこに告白するシーン、たまこはお餅に似た石を拾います。
しかし転んでしまい、もち蔵に助けられた拍子に落としてしまいます。
これはとても象徴的な表現ですね。
今までお餅のことしか無かったたまこの頭から、もち蔵の告白以降それがすっかり抜け落ちてしまうわけです。
そして「お餅スランプ」に繋がると。わかりやすいですね。
・告白された後
ずぶ濡れのまま商店街を走って帰るたまこ。
商店街の風景も色鮮やかなぼやけたイメージでしか見えていません。
その後「コンタクトなくしちゃった」というセリフがありますが、これはTVシリーズのED「ねぐせ」を踏襲しているのかもしれません。
(コンタクトを外してみた 世界がぼやけて 一瞬だけど 居場所を確認しちゃうよ いつか離れていくのかな)
・たまこの髪留め
どうでもいいんですが、おもちが嫌いだった頃からこの髪留めはつけていたことを確認。
・さゆりさん
「お餅スランプ」に陥っていたたまこですが、風呂屋の娘さゆりさんと会った瞬間はまるでTVシリーズのようなはしゃぎっぷり。
その後、商店街をスキップしながら駆ける姿は「ドラマチックマーケットライド」のオマージュとなっています。
他の商店街の人と会ってもこうはならなかったのに、さゆりだけ明らかに違う演出になっています。
これは何故か、というのは当然考えなければならないことだと思います。
これは難しいと思うのですが、個人的な考えとしては以下の通りです。
Wikipediaより抜粋しますが「結婚後は実家を出て暮らしているが、うさ湯で集会などがあるときには実家へ帰っている。」
もちろん他の商店街の人々も結婚はしているので、その点でさゆりが特別なわけではありませんが、結婚して商店街を出て行った唯一の人物なのです。
結婚して「未来」に行っても、あくまでさゆりは商店街に根を張った人物でいるのです。
たまこは今、いろんな意味で「変わっていくのが怖い」わけですから、「変わっても変わらずにいる」さゆりの存在がどれほど心強かったことでしょうか。
他の考え方もできるかもしれませんが、今のところ個人的にさゆりの立ち位置はそういうものだと考えています。
・リトルグレイ
たまこがお餅を好きになるきっかけになった、喋る餅(CVもち蔵)。
それをもちノートに描いていたのを見たかんなは「リトルグレイ」との反応。
リトルグレイは有名な宇宙人です。もち蔵は宇宙人です。そういうことです。
一見ただのギャグにしか見えないシーンですが、これはそういう意図を込められたものだと思います。
・もち蔵の部屋の窓
TVシリーズの頃からそうだったと思います(未確認)が
窓のカーテンは宇宙に星々が浮かんだようなデザインになっています。
・地球と月
「たまラブ」本編は冒頭、宇宙に地球と月が浮かんでいるところから始まるわけですが、
地球と月は当然ながら引力で引かれあいながらバランスを取って存在しています。
また月は地球の「周りをぐるぐる回ってる」のです。
またもち蔵はお餅(白くて丸いもの、月)であり宇宙人です。
たまこは地球、もち蔵は月と対応している、ということになるでしょうか。
・きらきら星
「恋の歌」に対するひなこの返歌は「きらきら星」の替え歌です。またもや宇宙モチーフですね。
・上を向いて歩こう
バトン部の大会で使用された曲。
宇宙を向いて歩こう、未来を向いて歩こう、ということだと思います。
まあ当該シーンは昼間ではあるのですが。
・たんぽぽ
花言葉はいろいろあるようですが、今回関係の深そうなのは「別離」と「真実の愛」でしょうか。
これに関しては整理しきれていないのですが、とても効果的に使われている気がします。
少なくとも言えることは、たんぽぽの綿毛は風で飛ばされて、重力でふわふわと落ちてきて、また風で飛ばされて、というものだということです。
そんな浅いものではないと思いますが、今はその程度しかわかりません。
・「わーっ!」
みどりとかんなのシーンのアレです。
これはどう見ても映画けいおん!のセルフオマージュだと思うのですが、これまた今のところ意図はわかりません。
わたし気になります。
・バトンのキャッチ
言うまでもないかもしれませんが、もち蔵の思いを受け止められるようになったからバトンもキャッチ出来たわけですね。
・独立
映画EDではたまこの頭上からりんごが落ちる演出があります。
頭の上のリンゴというイメージはウィリアム・テルを強く想起させます。
また歴史の授業のシーンではギリシャ独立戦争のことを勉強していました。
これらに共通するものは「独立」です。これも「大人になる」というテーマをそのまま受けた表現でしょう。
・プリンシプル
「原理」みたいな意味ですね。これもニュートン力学と繋がる言葉でしょう。
と、それは普通にわかるんですが。
たまたま見つけた他の方のブログでとんでもないことを知ってしまいました。
ニュートンの代表的著作のタイトルは日本語で「自然哲学の数学的諸原理」
ラテン語だと「Philosophiæ Naturalis Principia Mathematica」です!
流石にこれは気付かなかった。そもそもこんなこと知らなかった。
ここまできれいに繋がるのには脱帽です。
歌詞の方も映画の要素をよく拾っていて、とても味わい深いものになっています。
・「映画けいおん!」との類似性
未知の世界で自らのバックグラウンドを再発見し未来へ進んでいく、という構造は「映画けいおん!」そのものです。
恐らくこの辺が山田監督の描きたい日常の中核となるものなのでしょう。
とまあこんな感じですね。
しかしこれまで長々と語ってきたことと矛盾するかもしれませんが、この映画(や映画けいおん!)の一番すごいところはこんな考察が不要なことだと思っています。
あらすじにすると
起:たまこはもち蔵に告白されました
承:しばらく何がなんだかわからなくなって
転:でも友達や近所の人々との交流を通じて自らを取り戻しちょっと大人になり
結:最後はちゃんと『大好き!』と返しました。完
これだけの話です。
それをこれだけディテール豊かに描いてみせる技量とキャラクターへの愛情に感動です。
今まで長々とやってきた考察も全て一方向に向いていて、本筋を裏打ちするようなものでしかありません。隠された事実や裏設定などが浮かび上がるようなものではありません。
その点は「映画けいおん!」と何一つ変わらないし、むしろプロットが単純な分、より純粋にそういった側面を見られたのだと思います。
個人的にこの映画が「映画けいおん!」より好きになったというわけではないですが
様々な面でより洗練されて強度が上がっていると思います。
相当期待を高めて見に行ったのですが、全く裏切られない、期待通り、納得の内容でした。(これくらいやってくれると思ってたから、今回は期待を超えたとは敢えて言わない)
今好きなアニメランキングを付けるならば1位けいおん!、50位たまこ、その他は100位以下、というくらいにはこの2作が大好きですw
大好きをありがとう。めちゃくちゃたまこが好きだ!
※後に少し考察を追加。こちらです。
http://58051.diarynote.jp/201406222302407304/
コメント